うつ病で退職したらその後どうなる?生活と仕事を立て直す考え方
僕はうつ病で休職したあと、そのまま会社を退職したことがあります。
退職するといっても、最終的なやり取りは書面でした。そのため、退職した日を境に生活が大きく変わったという感覚はありませんでした。
ただ、もうこの会社に戻れるかを考えなくていいことや、同じ職場環境について再び悩まなくていいことには安堵していました。
一方で、会社を辞めたからといって、すぐに次の生活が始まったわけでもありません。
早く仕事を探さなければという焦りはありました。それでも、自分に何ができるのか分からない。空白期間が長くなることも怖い。
僕の場合、そこから次の仕事にたどり着くまでは、求人を探してすぐに再就職するような一直線の道ではありませんでした。
退職しても、休職中と同じ時間が続いた
退職後も、僕の生活は休職中とそれほど変わりませんでした。
当時の治療は投薬治療と、定期検診のときにカウンセラーと話をすることが中心でした。
退職した翌日から何か新しいことを始めたわけでもありません。
会社との関係は終わっても、自分の生活まで急に切り替わるわけではなく、休職中に過ごしていた時間がそのまま続いているような感覚でした。
休職中は、いつか会社に戻るのかを考える必要がありました。
退職したことで、そのことを考えなくてよくなったのは大きかったです。
ただ、それと同時に次の仕事やこれからの生活が決まっていたわけでもありませんでした。
国民健康保険の保険証を見て、無職になったことを実感した
会社を辞めたことを実感したのは、退職した日よりも、その後の手続きをしているときでした。
特に覚えているのが健康保険です。
会社員ではなくなり、国民健康保険に切り替わりました。当時受け取った保険証は会社から支給されていたものとは違う薄い紙のもので、それを見たときに「自分はもう会社員ではなく、無職なんだ」と実感しました。
そこには少し後ろめたさもありました。
税金関係の書類も届きました。
今から考えれば必要な手続きなのですが、当時の僕には役所へ行くだけでもかなりの気力が必要でした。
退職した瞬間に大きく何かが変わったというより、こうした手続きを一つずつしていく中で、会社を辞めたことが現実になっていったように思います。
早く仕事を探さなければと思う一方で、何をすればいいのか分からなかった
退職後は、早く次の仕事を探さなければという焦りがありました。
お金の問題は大きかったです。
傷病手当金などの制度に生活を支えてもらっていましたが、いつまでも支援を受け続けられるわけではありません。
それだけではなく、仕事をしていない期間が長くなっていくことも怖く感じていました。
空白期間が長くなったら次の就職で不利になるのではないか。周りは働いているのに自分だけ何もしていない。年齢やこれまでの経歴についても不安がありました。
それでも、「では何の仕事をするのか」と考えると答えが出ませんでした。
自分には何ができるのだろうと思っていました。
当時は将来について具体的に想像していたわけでもありません。むしろ「将来」という言葉自体があまり好きではありませんでした。
次の仕事を探さなければならないことは分かっている。
でも、そこへどうやってたどり着けばいいのかは分からない。
僕には途方もない道に感じていました。
求人を見ても、なかなか次の仕事を決められなかった
僕の場合は休職期間もそれなりにあったので、退職してから数か月ほどで、何かしら方向性を決めて動こうとしていました。
ハローワークにも行きましたが、家から遠かったこともあり、僕は行くこと自体が苦手でした。
そのため、転職サイトで求人をたくさん見ていました。
それまで僕は2社でシステムエンジニアとして働いています。
2社で体調を崩したからといって、「システムエンジニアは自分に向いていない」とはっきり結論を出したわけではありませんでした。
それよりも、経験者としてこれまでの経験を求められる仕事より、経験値0から始められる会社のほうが、自分にとってはハードルが低いのではないかと思うようになっていました。
求人を見ながら考えてはいましたが、なかなか次の仕事を決めることはできませんでした。
不採用になるのが怖くて、まずアルバイトを始めた
就職活動で怖かったことの一つが、不採用になることでした。
ただでさえ収入源がない状態です。
その状態で求人に応募して、何度も不採用になれば、さすがに心が折れてしまうと思っていました。
それに、もう一度働くための自信も欲しかったです。
そこで僕は、正社員の仕事を探し続けるだけではなく、一度アルバイトをすることにしました。
実際にアルバイトをしてみると、僕が思っていたよりも人は暖かいと感じました。
そして、そこで働いている人たちの中には、僕と同じようにこれからのことを悩んでいる人もいました。
正社員になることを目指している人もいました。
自分だけが遠回りをしていると思っていましたが、同じように悩みながら働いている人に出会ったことで、遠回りをしている仲間が見つかったような感覚がありました。
働けるという感覚が戻ると、転職サイトを見ることも怖くなくなった
アルバイトを始めたことで、少しずつ自信を持てるようになりました。
それまでは転職サイトを見ること自体にも抵抗がありましたが、そのハードルもかなり下がりました。
そして、ただ求人を見て応募するだけではなく、何か新しいスキルを身につけるための勉強もするようになりました。
それまでの僕は、仕事を探すときに「これまで自分がやったことのあること」を基準にしていました。
当然、その探し方では選択肢がかなり限られます。
そこで、興味があるものの中から、これまで自分がやったことのないものを勉強してみようと思いました。
その一つがPhotoshopでした。
経験した仕事だけで探すのをやめて、Photoshopを勉強した
Photoshopには、大学時代にほんの少しだけ触れたことがありました。
ただ、そのときは自分にこういうデザインのスキルはないと思い、すぐに諦めています。
それでも改めて勉強してみることにしました。
Udemyという動画教材のサービスも使いましたが、メインで利用していたのはYouTubeでした。
最初から「Photoshopを覚えれば就職できる」と考えていたわけではありません。
これで仕事が見つかるのかは、僕にもさっぱり分かりませんでした。
とりあえず、バナー広告を作れるくらいまで勉強してみようと思いました。
それまで僕は、Photoshopはイラストを描けるような人が使うものだと思っていました。
勉強していく中で、必ずしもそうではないことが分かりました。
自分にもできることがあると分かってからは、かなり熱心に勉強するようになりました。
初めてポートフォリオを持って就職活動をした
Photoshopを勉強して、自分でバナー画像を作りました。
今になって見れば、決してクオリティの高いものではありません。
それでも当時の僕は一生懸命作っていました。
作ったバナーをまとめてポートフォリオにして、就職活動にも持っていくようになりました。
それまでの就職活動で持っていくものといえば履歴書などの応募書類でした。
自分で作ったものを資料として持ち歩くのは初めてでした。
それだけでも、少し自信になっていました。
応募する求人についても、Photoshopの経験が浅くても応募できるものに絞りました。
最初から高いスキルを求められる求人ではなく、初心者でも受けられる求人を選んだことで、自分としてはミスマッチも少なかったように思います。
一方で、過去の病歴については就職活動で明かしたことはありませんでした。
空白期間についても、すべてをそのまま書いていたわけではありません。古い空白期間についてはフリーターをしていた時期として扱うなど、ぼかして伝えていました。
当時の僕は、そうやって就職活動をしていました。
そのスキルを使って、ECサイトを運営する会社に就職した
その後、僕はECサイトを運営している会社に就職しました。
そこでPhotoshopを使う仕事をすることになり、結果的にはその会社で5年ほど働きました。
その間、一度も休職することはありませんでした。
ただ、Photoshopを勉強し始めたときに、こうなることが分かっていたわけではありません。
勉強を始めたころは、それで就職できるのかさえ分かっていませんでした。
まずはバナー広告を作れるところまでやってみる。
そこからポートフォリオを作り、初心者でも応募できる求人を探す。
当時の僕がやっていたのは、それくらいのことでした。
退職後の僕に必要だったのは、遠回りする時間だった
退職したばかりのころは、早く次の仕事を探さなければと思っていました。
お金の不安もありましたし、空白期間が長くなることも怖かったです。
それでも、僕の場合は一度アルバイトをした時間が大切だったと思っています。
同じようにこれからのことを悩んでいる人にも出会いました。
転職サイトを見ることへの抵抗が小さくなり、求人に応募するだけではなく、自分で何かを勉強するようにもなりました。
その中でPhotoshopを勉強し、それまで仕事探しの選択肢になかったECサイトを運営する会社で働くことになりました。
退職したころの僕は、そこまで先のことを想像していたわけではありません。
将来を見据えて計画的に進んでいたわけでもありませんでした。
アルバイトを始めたときも、Photoshopを勉強し始めたときも、それがどこにつながるのかは分かっていませんでした。
今振り返って思うのは、転機がどこで訪れるかは分からないということです。



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